インドネシア

インドネシアにeコマースブーム到来


 ≪地元メディアの反応≫
インターネットの普及と消費者活動が急速に成長するインドネシアでは、国内のeコマース事業が軌道に乗り始めている。

インドネシア独特の地理(東西3,000マイルに点在する6,000もの島々に住む240万人の人口)は、オンライン小売業者にとっては困難な環境である一方、大きなビジネスチャンスであるともいえるだろう。

AmazonやeBayといった国際的に知名度の高い企業に果敢に挑戦する野心を持つ日本のeコマース・グループ「楽天」は、インドネシアのオンライン市場に参入しようとする企業のひとつだ。インドネシア ニュースメディア昨年、インドネシアのメディアを統括するHarry Tanoesoedibjo氏と合弁でインドネシアに焦点を当てたオンラインマーケット、Rakuten.co.idを立ち上げたが、売上高は毎月“2桁”のパーセンテージで成長してきている。

楽天の創業者で代表取締役会長兼社長の三木谷浩氏は、”私はインドネシアの経済と、インドネシアにおけるインターネットショッピングビジネスは必ず成功すると信じている”と語っている。

確かに、昨年6月にローンチしたRakuten.co.idは、今年の11月までに販売店舗数は60件から400件に増加しており、取り扱い商品数も40,000点から300,000点以上に拡大している。

特に、携帯電話や他の電子ガジェットが売れ筋アイテムとなっており、食品や飲料の販売数も急速に高まってきている。

先進国の消費者は、比較的高価な商品を購入するためにインターネットを使用しているが、配送料やランニングコストが低価格なインドネシアでは、一箱49,000ルピア(約500円)のインスタントラーメンといったような商品の販売が可能だ。その為、現地小売業者だけでなく、日清食品といった日本企業の出店もある。

インドネシアでeコマース・ビジネスを立ち上げるにあたっての重要な課題点は、インターネットの速度が遅いこと、物理インフラが十分普及していないことと、信頼できるオンライン決済システムがないことだろう。

インドネシアにいる50万人のインターネットユーザーの内、オンラインショッピングを利用しているユーザはわずか1.4万人程度と推測されている。
それでも、2006年から2011年の間では、年間平均56%の市場成長率で記録しており、地域最速である。

そんな明るい未来が期待されているインドネシアのインターネットビジネス産業だが、進出を試みるのはなにも楽天とTanoesoedibjo氏だけではない。

昨年、インドネシアの煙草産業大手のジャルムタバコグループと、民間最大手バンク・セントラル・アジアを経営する一族の御曹司Martin Hartono氏が、楽天のライバルの一社となるインドネシア国内最大のコミュニティフォーラム「kaskus.com」に出資するなど、業界は注目されつつある。

インドネシアの成長見通しは明確であるものの、成功の保証があるわけではない。楽天は中国の検索エンジン大手のBaidu.comとの合弁に失敗した経験もあるので、国際的な事業提携が容易ではないことを知っているはずだ。
まだまだ課題は多いが、インドネシアのインターネットビジネスの今後に期待したい。(Finantial Times)


			
		

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