タイ

株式会社デンソーはアジア拡大に向け新たな実験施設を導入


 ≪地元メディアの反応≫

日本の大手自動車部品メーカーである株式会社デンソー(以下:デンソー)は、タイをグローバルな生産拠点の1つとして位置付け、技術センターに大規模な自動車の実験施設を導入した。
タイ 海外進出
デンソーは1972年にタイ参入を果たした。現在タイ国内に8社を構え、その中の6社が製造を、他2社が販売を行なっている。
2007年、7億バーツを投じてデンソー•インターナショナル•アジア本部(以下:デンソーアジア)をタイに設立した。同時に技術センターも設立され、製品開発やアジア太平洋地域の子会社に対する研修に使用されている。

昨年、同社のタイでの売上は640億円バーツに達した。
その数値から、自動車産業界でタイや東南アジア諸国がいかに重要な存在であるかが伺える。

今回、2億バーツをかけ東南アジアで最先端の空気抵抗などを調べるときに用いる実験装置を導入した。
これは24時間体制で風や温度(30度~50度)など様々な条件をシミュレートすることができる。
この新技術によってデンソーの自動車部品の品質レベルは更に向上するであろう。

デンソーアジアの研究・開発部門副会長である林俊秀氏は「我々の実験装置によって、エンジン性能の向上と排出量の削減を更に強化し、将来的には自動車の安全性と環境保全に貢献できるだろう。」と述べている。

デンソーアジアの社長兼最高経営責任者である西村繁広氏は「タイ・ミャンマー・インドネシアなどの絶え間ない市場ニーズに対応するため、我が社は、この地域へ継続的な投資を行なうだろう。タイはアジア太平洋地域においての重要な生産拠点へと成長している。」と述べた。

西村氏によると、チョンブリチャチェンサオ、アマタナコン、ウェルグロウ工業地域での生産性を高めるために、デンソーは更に40億バーツを投資する予定であるという。ASEAN市場のニーズに応じ、生産拠点を日本からタイへ移転する計画だ。そのためにタイで研究・開発に注力している自動車メーカーと提携、協力をしていくという。

また、デンソーは東南アジア諸国への製品提供と生産コストを削減するため、インドネシア・マレーシア・カンボジアなどのASEAN諸国で、更なる投資を行う予定である。
ミャンマーとカンボジアではOEMビジネスを展開する計画だ。

デンソーの投資や研究開発活動が急速に増加した理由として、同社がアジアの自動車産業を担う企業として広く認識されており、取引先とより密接な提携関係が築けているからと言えるだろう。

「今後、タイは世界トップクラスの自動車部品の生産拠点へと成長してゆくだろう。我々はそれに応じて戦略を整え、現段階では製品とスタッフの質の向上に注力している。」と西村氏は述べた。

デンソーアジアは、日本に置き換わる部品生産の中心になることを目標に掲げており、親会社であるデンソーは今後、研究・開発を中心とした事業にシフトしてゆくと予想される。(The Nation)


			
		

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