タイ

日本の中古車企業・ガリバーがタイに参入、バンコク1号店開業に地元の注目集まる


≪地元メディアの反応≫
ガリバーインターナショナルは20142月からタイで30店舗を新設するのをきっかけに、周辺国地域へ一気に出店し、17年度末までにASEAN800店のネットワークを構築するという。現在の国内店舗数は420(フランチャイズチェーン含む、20133月末)。たった5年で現状の国内の約2倍となる店舗ネットワークを東南アジアに作り上げるという壮大な計画を打ち立てた。

 

タイ 進出

 

ガリバーにとって、海外展開は今回が初めてではなく、かつて2007年から2008年にかけて中国やインドで出店準備を進めていたことがあった。ところが、リーマン・ショックにより計画は白紙になり、現在は米国で4カ所の直営店を展開するにとどまっている。

 

ガリバーインターナショナルはタイで良いパートナーを見つけられる可能性が高いと考え、タイを海外展開の最初の市場として選んだ。そして、そのパートナーとなったのがVグループだ。タイの大手損害保険会社Viriyahの頭文字を取りこう呼ばれている。今回ガリバーのパートナーとして中古車企業に浸透する合併会社をVガリバーと設定した。

 

建築許可に関わるものなど、いくつかの障害がありオープンするのに1年近くかかったが、ガリバーは3月にシーナカリン通りに初のショールームをオープンさせた。スロースタートにもかかわらず、V-ガリバー社のマネージングディレクター・野村勝志氏は「来年に100店舗のショールームを展開し、目標を達成すると確信した。と語っている。今年はバンコクのショールームや、ナコンサワン、スラタニ、チェンマイなどの他の州の合計を持って計画しているそうだ。

 

ガリバーは日本で独自開発してきたi-Pad miniを使った査定・検査方法「PSA」のリアルタイムのオークションデータに基づいて、車の詳細な価格を割り出す課金システムを20年以上描いていくことで中古車市場の「近代化」を目指している。

 

同社ディレクターのPuttiphand Thamvichai氏はフランチャイジーのための収益性を可能にしながら、PSAシステムは車を売るお客様の為に「公正」な価格を確保すると述べた。

 

「適正な買取金額、無料出張査定、適正な販売価格とさらには検査とメンテナンスを徹底する。日本人はビジネスに対して、高い品質とキメ細かいサービスというこだわりをもっている。我々はこれを実感しているし、これをタイの多くの人に実感してほしい。また、弊社の試みが“テント”事業者にとっても(結果的に)有益となり、タイの中古車市場全体がより良い方向に向かうことを期待している。」とThamvichai氏は語った。

 

Thamvichai氏が指した“テント”事業者とは、幹線道路沿いで、大型の屋根のみをつけた敷地に中古車を並べてひとつ屋根の下で複数の小規模業者が展示販売をしている業者の事だ。彼らの商売は昔ながらの商習慣で行われており、査定価格や販売価格は当然、業者によって大きなバラつきがある。さらに車両に対する保証はなく、「現状渡し」で整備が不十分な場合が多い。

 

タイだけではなく、中古車事業は先進国、新興国を問わず世界的に「胡散臭い商売」と思われてきた。そこに大きくメスを入れたのがガリバーだ。V-ガリバーが持ち込む「日本型ビジネス」は、中古車市場の健全化につながる。それによって「テント」は淘汰されるか、またはV-ガリバーへの対抗意識から『テント』商売のクオリティが上がっていくのかもしれない。

 

日本からタイへ日本企業の新たななる挑戦、そしてASEAN全体へ向けた動向を見守っていきたい。

 

SOURCEThe Nation trans by Chinatsu」)


			
		

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