タイ

FOMMが水害に強い電気自動車をバンコクのモーターショーに出展、タイ市場への参入を発表


≪地元メディアの反応≫

日本の自動車メーカー株式会社FOMM(本社:神奈川、以下:FOMM)は、バンコク国際モーターショーに『FOMMコンセプトOne』を出展し、タイ市場に向けて投入すると発表した。

 

鶴巻氏は過去にスズキでオートバイの設計を、トヨタの子会社アラコでは小型電気自動車「コムス」の企画・開発に携わった経験を持つ。これを活かしてタイを始めとする東南アジア市場に向けた小型EVとして『FOMMコンセプトOne』を開発。乗用車の普及期に入っているタイ市場で普及させるべく、その第一弾としてこのショーへの出展を決めたのだ。

 

タイ 進出

 

出展された『FOMMコンセプトOne』は、日本で発表された時と同じ車両で、ボディ側面のデザインも変わっていなかった。小型EVとほぼ同寸の小さなボディながら大人4人が乗れる空間を確保し、アクセルのスペースも不要とするためにオートバイと同じ操舵システムを採用している。ドアは両側ともスライド式で、現仕様では窓は運転席側のみ。オプションではあるが、簡易クーラーがついているそうだ。

 

フレームはオートバイと同じ考え方で作られたパイプ構造。樹脂パネルを組み合わせたボディのつなぎ目にはこのフレームが露出しているが、それでも仕上がりが良いのか、チープ感はほとんど感じさせない。このメリットは軽量化だ。空車時なら460kgととにかく軽い。そして、水害の多いタイ国内に向けて開発されただけに、水の中では車両が浮いて、万一流されても故障しにくい耐水性も確保している。前輪を回転させれば、フィン型ホイールが簡易的なスクリューの役割も果たすのだという。

 

駆動方式は前輪のインホイールモーター方式で、電源とするリチウムイオンバッテリーは取り外し可能なタイプ。最大6個までのカセット式バッテリーが搭載でき、この時の航続距離は最長で約100kmになるという。

 

鶴巻社長は、「タイでの反応は悪くない。提携商社が関心のある業者を多数お呼びしたため、対応に大あらわだった。」と述べた。しかし、同時に「空調が簡易式であり、窓が片方しかないことは東南アジアではマイナスとの声が多く、この辺りは生産までに改良を加えていきたい。」とも話す。また、タイ市場で販売するに当たっての問題点として、「EVに対する認識の低さも大きな課題であろう。パワーについても3.5Lクラスの低速トルクがあると話しても信じてもらえない。この意識の壁を乗り越える努力も必要だ。」と述べた。

 

さらに普及のための最も重要な課題は価格であろう。実は予定している価格は30万バーツ(日本円で約100万円近く)。タイでは、この価格に少し足せば日本車が買える。このままではそう簡単に太刀打ちはできないのは明らかだ。そんな中で普及を目指す方法として、「まず欧州規格の“L7E”の取得を目指し、この取得した実績を踏まえてタイ政府に普及へ向けた優遇措置を掛け合っていく計画でいる。」と述べた。新事業へ向けた新たな取り組みとして、今後の改良や価格設定が気になるところだ。

SOURCENTDTV trans by KIKU


			
		

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