ベトナム

過熱化するボトル緑茶飲料市場にキリンが挑む


 ≪地元メディアの反応≫

近年、ベトナムのボトル緑茶飲料市場は競争がますます激しくなってきた。大手メーカーと言えども、小規模なライバルを完全に押さえ込むことは難しいのではないだろうか。

ここ数年間で、いくつかの大手メーカーの失敗があった。これらのメーカーはいずれも十分な資金と経験豊富な海外企業によって管理されていた。

日本の大手飲料メーカーである麒麟麦酒株式会社(以下:キリン)の“Kira”は販売を開始するも、すぐに販売を停止した。
ベトナムの飲料メーカーであるWonderfarmは、その他2つのメーカーと共に開発した“Top”で大きな成功を収めたが、現在の市場シェアは非常に少ない。

Wonderfarmはライバル社の弱みを見つけて「攻撃」を仕掛けることができておらず、キリンは自社独自の製品が無く、差別化を図ることができていないことが原因であろう。
ベトナム 海外進出キリンは“Kira”が失敗した後、他のボトル緑茶飲料の開発を始めた。同社はエースコック ベトナムと提携し、ミルク系飲料“Latte”やボトル緑茶飲料の“jCHA”を発売した。
エースコック株式会社(以下:エースコック)は日本企業だが、ベトナムでも有名なインスタントヌードルメーカーとして安定的かつ広範囲の流通ネットワークと10万人以上の販売規模を持ち、ベトナムの消費者たちに好まれている。
キリンとエースコックの合弁会社は、キリンの物流コスト削減などに役立っている。それによって、同社は生産コストの削減が可能になり、成功の可能性を高めることが出来る。

また、日本の飲料メーカーであるサントリーホールディングス株式会社(以下:サントリー)は、ペプシコーラとの合併会社をベトナムに設立した。サントリーは49%の株式を持っている。これにより彼らは食品と飲料事業の拡大を計画している。当面は“リプトンピュア緑茶”という製品に注力する予定である。

マーケティングの専門家によれば、緑茶は老若男女問わず好まれるためターゲットが広範囲であることと、製造においてもシンプルなため市場への参入が容易であるという。

VBA(ベトナム飲料製造業者協会)の調査によると、ベトナム市場でノンアルコール飲料は過去5年間で毎年平均20%の増加率を誇り、これは国内外問わず多くの企業が注目している。
現在、ベトナムでは1人あたり年間で3リットルのボトルノンアルコール飲料しか飲まないと言われている。フィリピンの1人あたり年間150リットルという数値と比較すると、発展の余地が大きいことが分かる。

この成長市場に参入するのは海外企業だけではない。
Thien Tra Vedanはベトナムの調味料メーカーとして広く知られているが「ボトル緑茶飲料市場への参入は同社にとって合理的である」として2012年に市場に参入した。同社は現在のボトル緑茶飲料市場で優位に立っている。その理由は広い供給網と多くのファンを抱えていることである。

海外の大手飲料メーカーがこぞって参入するボトル緑茶飲料市場は、国内メーカーの参入も増えたことで更に競争が激化したと言えるだろう。新規参入であっても市場シェア上位に立つことが出来るこの状況で、キリンは大手飲料メーカーとしての威厳を保つことができるだろうか。(vietnamnet)


			
		

特集記事

nophoto
nophoto
nophoto