≪地元メディアの反応≫
世界最大の航空機メーカー「The Boeing Company(ボーイング)」は3月27日、日本の二大航空会社の一角「All Nippon Airways(ANA:全日本空輸)」からのハイテク旅客機「Dreamliner(ドリームライナー)787-10」3機の発注が確定したことを発表した。ANAが今年1月に発注の方針を発表していたもので、カタログ価格ではおよそ9億ドル(約1,080億円)の取引となる。
日本の航空会社で787-10を導入するのはANAが初めてで、787シリーズの全3機種を運航するアジア初の航空会社となった。
787シリーズは標準型の787-8、長胴型の787-9、超長胴型の787-10の3機種で構成され、ANAは、すでに787-8を36機、787-9を44機の計80機を発注し、2月末時点で世界最多の34機を受領済み、今回の787-10発注を含めると、さらに49機が導入されることになる。
新型の787-10はドリームライナーシリーズ最大の機種で、標準座席数323席、現在の世界の全航空路の90%以上で運航可能な13,000キロという航続距離を実現している。燃料効率も現在就航中の同サイズ機と比べて25〜30%向上した。
最終組立と試験飛行は2017年初頭、初号機の引き渡しは2018年を予定しており、2019年度から2020年度にかけて、国内線に導入するということだ。
787-10を国内線に就航させることで、今後首都圏空港(羽田・成田)で予想される発着枠増枠に際し、ANAが現在国際線で運航している777-200ERの一部を国内線へ転用することなく対応出来るようになるというメリットがある。
ボーイングの民間航空機部門のRay Conner(レイ・コナー)社長兼CEOは、「今回の受注は当社とANAの数十年にわたる強固なパートナーシップを示すものです。787型機ファミリーの全機種を揃えることで、ANAの長期的な成功の一翼を担えることを誇りに感じます」と語っている。
今回のANAの航空機発注は当地Wichita(ウィチタ)市の「Spirit Aerosystems,Inc.」の業績にも大きな影響を与えるだろう。胴体や翼部などの機体フレームの構成要素を製造するエアロストラクチャー分野で世界最大のメーカーである「Spirit Aerosystems,Inc.」は、これまでもボーイング787シリーズの機体フレーム製造を受注してきた。
合計83機にもなるANAの787シリーズ機の大量発注は、今後数年にわたって「スピリット・エアロシステムズ」社を潤し、遠く離れたウィチタ市の税収、雇用確保に貢献してくれそうだ。
(SOURCE:Wichita Business Journal「trans by shimamori 」)