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長年続けた海外投資が大きな成果をみせる三井不動産


≪地元メディアの反応≫
三井不動産株式会社(以下:三井不動産)は、米国の不動産会社への投資を行なう日本企業の1つであり、彼らは1990年代初頭に米国不動産市場が崩壊して多額の損失を負ったことにも動じなかった。

現在、400億円の資本を持つ三井不動産は、多くの日本不動産会社がアジア市場へ投資する中、米国と欧州市場に注力し続けている。
アメリカ ニュースメディア三井不動産は、継続的にグローバル市場へ非常に高い興味を持ってきた。90年代の不安定な時期にもこの市場を手放さなかったことは、他の多くの不動産会社と比べて大きく異なる点と言える。この決断によって、三井不動産は米国や英国市場への投資を継続する知識と自信を手に入れた。
ここ12カ月、三井不動産の株価は160%以上も上昇し、長年の投資が報われることとなった。

1980年代、急速に発展する経済とビジネスのグローバル化に伴い、三井不動産は他の日本企業と同様に米国の不動産にこぞって投資をした。しかし、1980年代後半には日本でバブルが崩壊し、不動産投資の勢いは突然止まり、多くの企業が不動産を売却し撤退していった。

三井不動産は不景気であっても海外不動産の所有権を保有し、更には何百万ドルも投資し改装を行なった。
現在、この建物は三井不動産が持つ最も貴重な資産となっている。

現在、三井不動産の資産は約90%が国内市場であり、今後は約70%に低減していくという目標を掲げている。日本経済は徐々に回復傾向にあるが、資産の規模と範囲、投資機会を考慮し、投資市場を拡大してリスクを軽減するのが三井不動産の狙いだ。

欧州市場での事業展開に伴い、拡大のプラットフォームとして三井不動産本部の開発者や管理者はパリに目を向けている。2017年には50億ドルの資金を割り当て、日本市場以外の投資に用いる計画だ。
三井不動産ヨーロッパのエグゼクティブディレクターである山田秀人氏は「現地の経営者と協力して事業を広げる可能性がある。」とも述べている。

現在、三井不動産はアメリカのニュ―ヨークで42階建ての高級マンション開発を行なっている。2013年の夏から着工し、2015年の秋に完成予定である。

その一方で、ロンドンの金融地区ムーアゲートの大通りには8,500万ポンド(1億3,180万ドル)の事務所建設を計画しており、予定では2014年上半期に完成する。

更に去年は9,500万ポンドで西ロンドンのBBCテレビセンターの株式を45%買収した。その敷地は1,10万平方フィートの面積がある。三井不動産の予定ではBBCが2015年に移転する際、旧BBCテレビセンターを事務所・小売り・住宅の機能もある建物に改築する計画だ。

上記の様々な開発プロジェクトから、三井不動産の飽くなき探究心が感じられる。

欧州では今も経済不況が続いているものの、山田氏は「今後、三井不動産は更に大胆な動きをするであろう。今、私たちは企業成長のスピードを維持するために拡大し続けなければならない。」と語った。

独自の信念を持ちながら海外投資を続けた三井不動産の持つ知識と自信は、他の企業が持ちえない最大の強みと言えるのではないだろうか。(Wall Street Journal)


			
		

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