タイ

タイ大手通信キャリアの集客に日本の小さな企業が貢献


 ≪地元メディアの反応≫

タイ最大の通信キャリアであるAISは最近、新たな通信サービスとして全国の都市部で42Mbps高速通信の提供を始めた。

東京に本部を置く株式会社クオン(以下:クオン)は、スマートフォン向けのアプリケーションなどを企画開発する日本企業である。クオンは、前記の高速通信サービスをPRするためにAISと協力し、タイで新しいアプリケーションのリリースを行なった。

2社の提携の背後には具体的な戦略があるのか確認できていないが、今回リリースされたスマートフォン・チャット向けスタンプ作成・配信アプリケーション(以下:スタンプアプリ)は大規模な集客に繋がり、新たな勢いが生まれた
タイ 海外進出
我々はクオンの代表者取締役(CEO)である水野和寛氏に、インタビューを行うことができた。
2012年1月、水野氏はタイをターゲット市場としてとらえていないと語っていたが、どのようにしてこのスタンプアプリがタイでリリースされることとなったのだろうか。

「我々がアジア各地でアプリケーションのマーケティングを実施したころ、タイのユーザーが最も興味を持っていることが判明した。また、我々のスタンプアプリ“myStickerShop”は提供を開始して以来、50万回以上ダウンロードされており、AISはこのアプリケーションが日本で大きな成果を上げていることを知っていた。
AISの新しい高速通信サービスは多くのユーザーを惹き付ける魅力的なサービスであり、我々のアプリケーションがAISから提供されることを大変嬉しく思う。AISはタイ最大級の通信キャリアであるだけでなく、シンガポールなどアジア諸国にネットワークを持っているため、我々の事業拡大のためにもなるであろうと考えている。」

タイを選択した理由は、インドネシア、フィリピン、ベトナムよりも競争率が低く利益が得やすいからだという。
また、タイの消費者の心理は日本とほぼ同様で、友人が面白いものを紹介すれば自分も欲しくなるといった嬉しい連鎖を引き起こすと、クオンは分析している。

今後、他のアジア諸国へ事業拡大を計画しているのか尋ねたところ、水野氏は「現在は考えていない。タイの人は親日家が多く、日本の流行が受け入れられやすいため最も良い市場と考えている。」と述べた。

現在“myStickerShop”と同様のスタンプアプリが多く存在しているが、最も重要なことは日本のデザインと現地の需要を結びつけることだと水野氏は語る。
実際、彼らが提供するのは日本人デザイナーによるオリジナルスタンプだけではない。タイ人デザイナーによるスタンプも提供されており、その戦略がかえって良い結果に繋がったのではないだろうか。

流行している殆どのスタンプアプリは日本のものであり、この分野で首位に立てるのは日本以外にいないのではないかと思われる。
日本は独自の洗練されたデザインを誇り、漫画の世界では大変有名である。日本の漫画家やイラストレーターたちがこの市場を支えていると言っても過言ではない。

最後に水野氏は「我々がタイ市場へ参入したように、タイ企業が日本での新たな市場を開拓できるよう起業家へ支援を行なっている。日本のユーザーが海外企業のアプリに触れる機会を増やしていければと思う。」と、企業の取り組みについて語ってくれた。

インタビューを行なって、水野氏が積極的に日本とタイとの革新的提携の実現に助力をしていることにとても感銘を受けた。クオンは小さな企業であるが、このような取り組みによってタイと日本の両国が協力し合いながら共に発展していくことを期待したい。(startup-dating.com)


			
		

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