≪地元メディアの反応≫
日本大手の通信機器メーカーである沖電気工業株式会社(TOKYO:6703、以下:OKI)と、コンピュータ技術サービスを提供するブラジルのItautec社は、ATM事業においての戦略的な業務提携を発表した。
この提携により、OKIの持つワールドクラスのATM技術と、Itautec社の持つ膨大な顧客データベースと広範囲のコンピュータメンテナンスサービス網(ブラジル最大で、3,700都市にも及ぶ)を駆使して、ブラジルのATM・CD市場でトップシェアを狙う。
両社が立ち上げる合弁企業は、株式の70%をOKIが、30%をItautec社が所持する。株式の取得は2013年12月末を目処に行われる予定だ。
OKIは1982年に世界初の紙幣還流型ATM、2011年には1つのATMで128種の異なる貨幣を同時に処理する世界トップ技術の開発に成功した。長年行なってきたATM製造による研究開発の最先端技術を集合させ、OKIはこの業界を牽引する企業の1つとなった。
OKIは日本だけでなく、中国、ロシア、インドネシアのATMにおいて市場シェアを大きく占めている。これらの経験に基づいてOKIは特に新興国に着目し、参入と事業拡大を行なう計画だ。
OKIの社長である川崎秀一氏は「我々はItautec社と協力を始めることができ、大変満足している。OKIの持つATMの設計・開発・生産の知識は、Itautec社にとって有益なものとなるだろう。またOKIは現在ラテンアメリカにおける事業拠点を持っている。我々はさらなる成長のためにItautec社と協力し、急速に市場拡大を目指す。」と述べた。
Itautec社はブラジルに製造工場を持ち、サービスステーションを全国各地に構え、販売地はラテンアメリカとヨーロッパの多数の国に及ぶ、IT技術製品の製造やITサービスの販売を行なう企業だ。ブラジルでは市場シェアの約30%を占め、2番目に大規模なATMメーカーでもある。更なる業務拡大を図るため、彼らは長い間パートナーを探していた。
Itautec社の会長であるRicardo Setubal,氏は「今回の提携によって、我々の能力向上、市場規模の拡大、より良い製品開発などの様々な成果が期待でき、更に価値あるサービスを顧客に提供することができるだろう。またATM関連だけに留まらずOKIとの事業を行なっていく予定であり、パートナーシップを結べたことに大変満足している。」と述べている。
OKIとItautec社は、現在までの事業地域や技術などそれぞれ異なるため、お互いに得意分野を生かしながら事業を行なっていく姿勢である。今回は特にItautec社がブラジルにおいての基礎を持っているため、それを活用してATM市場の拡大に打ち込むようだ。
グローバルに活躍し、技術においても高いレベルを誇る2社が提携することよって、セキュリティーやメンテナンスのサポート体制の強化された、より機能的なATMがラテンアメリカに普及することを願っている。(PYMNTS.com)