アメリカ

本物の神戸ビーフがアメリカに上陸


 ≪地元メディアの反応≫
アメリカで初めて”本物”の神戸牛が食される日がいよいよ到来する。先月29日、神戸肉流通推進協議会によって、史上初となる霜降り肉の高級ブランド、神戸牛がアメリカへの出荷されたのだ。

ここ数年、「Kobe beef」とうたっているメニューをアメリカでも多く目にするようになり、多くのアメリカ人は既にその高価な牛肉を口にしていると考えていたかもしれない。
アメリカ ニュースメディア
しかし数年前より、口蹄疫の影響でアメリカは日本からの牛肉(それが生肉でも冷凍肉でも、骨付きでも骨なしでも)の輸入を規制していた。その為、もし神戸牛をメニューにうたっているレストランがあれば、それは私がいうところの”Faux-be beef(なんちゃって神戸牛)”であったということだ。それらがいくらで販売されていようと、日本の本物の神戸牛はアメリカへ輸入されてないなかった。

USDA(アメリカ合衆国農務省)はこの度、日本の口蹄疫リスクは低下したと判断し、日本からの牛肉の輸入規制を緩和、“骨なし肉”に限って輸入が再開された。骨なし肉と聞いてステーキ愛好家は驚いているかもしれないので補足しておくが、そもそも日本では高級な肉が骨つきで出てくることはまずない。神戸牛はT-ボーンやリブアイという食べ方をしないのだ。

輸入規制緩和は神戸牛に限った話ではない。日本のその他の地域(“Kobe”とはシャンパーニュやブルゴーニュのように、地域の名称である)の高品質なWagyu(和牛とは日本で生産される牛肉の総称で、神戸牛はその中の一種である)も輸入可能となったという事になる。ただ、アメリカでは“神戸牛”というブランドネームがあまりにも強い為、いくつかのステーキハウスでは神戸牛以外の和牛でも“Kobe beef”と称して提供しているところもある。

とはいえ、ここまでの話は非常に希少で高価な牛肉の話である。神戸牛はその生産数が少ない。また、USDAが規制緩和をしたとはいえ他にも厳しい輸入規制基準は沢山ある為、残念ながら近いうちにアメリカのスーパーに日本の牛肉が並ぶようになる事はないだろう。規制前、2009年の日本からの牛肉の輸入量は72トンであった。非常に多いように感じるかもしれないが、USDAによればその年のアメリカの牛肉消費量はなんと1,350万トンにのぼっており、日本からの輸入量は国内消費量の1%にもみたないのだ。

よって今回輸入される肉は必然的に超ハイエンドなステーキハウスに独占される事になる。ニューヨークの“the Old Homestead”も本物の神戸牛に飛びついたレストランのひとつだが、報道によれば彼らの提供価格はなんとステーキ一枚$350(およそ3万円)とのことだ。恐るべし神戸牛のブランド力である。(Forbes)


			
		

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