タイ

タイ参入30年の東急百貨店がバンコクに第2号店をオープン。ライバル高島屋の出店を前に一転攻勢へ


≪地元メディアの反応≫

タイに第1号店をオープンして30年、日本の「Tokyu Department Store(東急百貨店)」が619日、4億バーツ(約146,500万円)を投じた第2号店をバンコクのSrinakarin Road(スリナカリン・ロード)にオープンした。日本の親会社のASEAN市場への事業拡張方針に沿ったビジネスチャンスへの挑戦だ。

 

タイ 海外進出

 

Paradise Park Shopping Center(パラダイスパーク・ショッピングセンター)」(写真)内の東急2号店は、同センターを運営する「Paradise Retail Co.(パラダイスリテール)」と「Bangkok Tokyu Department Store Co.(バンコク東急百貨店)」が50%ずつ出資した合弁企業「PT Retail CorporationPTリテール)」が開発した。

 

2号店の13,000平方メートルのリテールスペースには衣料品、玩具、化粧品、スポーツウェア、旅行用品、アクセサリー、文房具などの売場が、現代的デザインと日本的要素に包まれ整然と並ぶ。

 

「東急デパート・パラダイスパーク店は新たな挑戦。バンコク東部に全く新しいショッピング体験を提供する場所を創造したい」とPTリテールのTakashi Hayano CEO(写真)は言う。

 

タイ 海外進出

 

Srinakarin(スリナカリン)地区を東急2号店の場所に選んだのは、バンコク東部で人口増大が目立っているからだ。また近隣の「Prawet」「Suan Luang」「Phatthanakan」地区は、購買力のある富裕層が多く住んでいるエリアで、公共交通機関の整備計画のルートにもなっており、今後住宅、商業地域が新たに開発される可能性も高い。

 

事実、新東急デパートから半径5キロ以内の地域は500万人の人口と、80件の新たな住宅開発プロジェクトを抱えている。「Seacon Square」「Megabangna」「Central Plaza Bangna」「Index Living Mall」など、既存の大型商業施設も多い。

 

さらにこのエリアには、東急デパート以外にも新しい商業施設の開発プロジェクトがいくつか進行して、一部はオープンを間近に控えている。バンナー地区の我が国最大の国際貿易展示場「Bangkok International Trade & Exhibition CentreBITEC:バイテック)」の向かい側に200億バーツを投じて建設されている話題の「Bangkok Mall(バンコクモール)」もその一つだ。

 

過去東急は、日本のいくつかの小売ビジネスが市場の競争に敗れ撤退した中で、バトゥムワン地区の巨大ショッピングモール「MBK Center」内の1号店の経営に絞って、堅実な事業展開を続けてきた。

 

しかし現在では、ローソンのタイ国内向けコンビニブランド「Lawson 108」の展開をはじめ、ドラッグストアチェーンの「Tsuruha Drugstore(ツルハドラッグ)」、イオングループのスーパーマーケット・チェーン「MaxValu Supermarket(マックスバリュ)」など、他の日系小売チェーンによる我が国での店舗拡大の動きが活発化している。

 

同じ日本のデパート「Takashimaya(高島屋)」も2017年に、Chao Phraya River(チャオプラヤ川)沿いのリバーサイド開発施設「IconSiam(アイコンサイアム)」に初のデパート開業を決めている。

 

我が国での開業以来30年間を経て、東急も2号店オープンでようやく攻勢に出た。今年の売上は7億~9億バーツ、2年間で黒字化を目指すということだ。

 

「日本から直輸入した商品を集めて都市の若者層、富裕層に多様で新鮮なライフスタイルを提案する」という東急だが、まずライバル、高島屋の出店前に長年親しまれたブランドネームを人気のスリナカリン地区に浸透させる狙いのようだ。

 

SOURCEBangkok Posttrans by shimamori 」)


			
		

特集記事

nophoto
nophoto
nophoto