≪地元メディアの反応≫
日本で最大の広告代理店である電通は、国際的なエンターテインメント・テレビチャンネルをシンガポールで開始し、アジア太平洋地域において、積極的に日本、日本企業の認知度、好感度の引き上げを図るという。
J FOOD&CULTURE TV(JFCTV)は電通と日本テレビが共同運営する会社である。また「Hello!Japan(ハロー!ジャパン)」という番組は、加えて東京放送HD・Singapore Media Allianceなどの企業が協力して制作を行なう。
この番組はシンガポールCATV「StarHub」で、日本のトレンドを発信する番組として展開されるという。電通によるとアニメ、ドラマ、音楽、映画、旅行、ビデオ、スポーツなど、さまざまな内容をカバーしていくと述べた。「Hello!Japan(ハロー!ジャパン)」は、今後インドネシア、フィリピン、香港、マレーシア、タイ、オーストラリア、ベトナム、インド、韓国、台湾などの地域でも展開を予定している。
現在、海外で放送されている日本のコンテンツは、放送局が独自に買い付けて放送している番組や、NHKワールドTVの放映するNHKプレミアムチャンネルがほとんどだ。
日本はこれまで、こうした戦略をほぼ行なっていなかったが、現在はメディアを扱う多くの企業が、海外展開のために企業間での協力を始めた、と電通は述べている。
また「日本の存在感を高めることで、進出する日本企業のブランドイメージ醸成や、進出先から日本への旅行誘致を後押しすることに繋がるだろう」と同社は語る。
今日では、自国の文化の認知・理解を促進し、好意度を高めるための手段として、東南アジア参入を目指す国や企業は、放送コンテンツの輸出に力を入れているという。東南アジアでは特に日本のアニメや音楽に対する関心が強く、日本企業は期待を寄せている。
潜在的な需要が期待されながら、海外市場はあまり成長していないのが実情だ。これが成功することになれば、今後アジア参入をしやすい環境が作られてゆくのではないだろうか。(C21Media)