≪地元メディアの反応≫
電子機器受託生産分野で世界最大企業グループである我が国の「Foxconn Technology Group(富士康科技集團:フォックスコン・テクノロジー・グループ)」と、世界第3位の携帯電話通信事業者である日本の「SoftBank Corp.(ソフトバンク)」は6月18日、ソフトバンクグループのロボット事業を統括する持ち株会社「SoftBank Robotics Holdings Corp.(ソフトバンクロボティクス)」に対してフォックスコンが145億円の出資を行うことを発表した。

同日、中国最大のEコマース企業「Alibaba Group(阿里巴巴集団:アリババグループ)」もフォックスコンと同額の出資をすることが発表され、これにより、ソフトバンクロボティクスの持株比率は、ソフトバンク60%、フォックスコンとアリババがそれぞれ20%となる。
3社は今後、ヒト型ロボット「Pepper(ペッパー)」をはじめとしたロボット事業の世界進出に向けた体制強化をはかり、今年末あるいは来年までに年間1万台の生産能力を備え、世界規模での販売を目指すという。
ペッパーは価格\198,000で、6月20日に日本国内で一般販売が開始され、ソフトバンクのウェブサイトで申込みを受付けたが、販売開始後わずか1分で6月の販売予定台数1,000台を売切った。
日本ではすでにペッパーを事業に利用しているいくつかの企業があり、たとえば「Nestle Japan Ltd.(ネスレにっぽん)」はコーヒーマシンの販売にペッパーを使用し知名度アップに効果を上げている。
日本で行われた会見にはソフトバンクの孫正義社長、アリババグループのJack Ma(ジャック・マー)会長、フォックスコンのTerry Gou(テリー・ゴウ)CEOと3社のトップがそろって顔を見せ、ロボット事業に対する意気込みをアピールした(写真)。
フォックスコンではまだソフトバンクと提携の詳細を調整している段階としており、コメントは控えているが、両社はフランスに本拠を置くソフトバンクの子会社「Aldebaran Robotics SAS(アルデバランロボティクス)」が2014年6月ペッパーを開発、ソフトバンクがフォックスコンに生産を委託した時点から協力関係にあった。
ソフトバンクはペッパーの生産と販売の両分野でフォックスコン、アリババという強力なパートナーを得たことになる。孫会長は世界展開の具体的スケジュールを明らかにはしなかったが、フォックスコンとのジョイントベンチャーによって、製造コストの高さが販売拡大のネックであるペッパーの量産体制がようやく整う目途がついたと言えるだろう。
(SOURCE:The Taipei Times「trans by shimamori」)