≪地元メディアの反応≫
我が国の不動産開発・管理大手「Century Properties Group Inc.(CPG:センチュリー・プロパティー・グループ)」がカジノリゾート開発を巡って日本の大手パチスロメーカー「Universal Entertainment Corporation (ユニバーサル・エンターテインメント)」のKazuo Okada(岡田和生)会長率いる3社に対して起こしていた訴訟を取下げ、和解したことが明らかになった。

5月14日にCPGが発表した声明によれば、和解はCPGのJose E.B. Antonio会長と岡田和生氏によるトップ会談で「両者の見解の相違は誤解によるものであることが明確になった」ため成立したということだ。
CPGは2013年、岡田氏が率いる3社と敷地44ヘクタールの娯楽施設内に約5ヘクタールの住宅・商業ビル群を開発することで投資協定を締結した。
しかし2014年3月になって岡田氏側が投資協定に参加していた1社が手を引いたことを理由に協定を破棄したため、CPGは岡田グループに対して提訴、Makati地区第一審裁判所は岡田氏側に協定破棄を認めない判決を下したが、続く控訴審では一審判決を差し戻し、係争が泥沼化していたのだ。
CPGによれば両社の和解には何の条件も付されていない。CPGは開発計画に専念する方が良策だと判断したようだ。4月CPGは、今後10年間で200億ペソ(約4億4,934万米ドル)を投資してPalawan地区に観光客向けリゾート施設を開発することを発表している。
Tiger Resorts Leisure and Entertainment(タイガーリゾート・レジャー&エンターテインメント)のKenji Sugiyama社長は、訴訟取下げを歓迎する声明で「問題を終結させたCGPに感謝する。フィリピンの方々が誇れるアジア最高の統合リゾート開発を前進させる大きな一歩としたい」と現在建設中のカジノ「Manila Bay Resorts(マニラベイ・リゾート)」(写真)への意欲を語った。
タイガーリゾート社は日本のユニバーサル・エンターテインメント社の子会社で、敷地面積97,000平方メートルのマニラ湾を望むカジノ「マニラベイ・リゾート」を開発中だが、今年3月完成予定で工期が大幅に遅れている。
5月12日、国営カジノ運営会社で民間カジノの規制監督も行っている「Philippine Amusement and Gaming Corporation(PAGCOR:フィリピン娯楽賭博公社)」は、岡田氏側が工事遅滞の理由を合理的に説明できない場合には総工費10億米ドルに及ぶカジノの運営免許を停止すると発表した。
PAGCORのFrancis Hernando副社長は「タイガー社が納付していた事業保証金1億ペソ(約224万米ドル)は差押え、工事スケジュール延期の正当性を7月半ばまでに明らかにするよう指示した」という。
Hernando副社長は、タイガー社側はカジノ開業を2017年第1四半期まで延期することを望んでおり、当初の計画より規模を拡大したリゾートカジノを建設する意向だという。
しかしカジノ完成開業を2年も延期すれば、44ヘクタールに及ぶ敷地内にカジノをはじめ、住宅、オフィス、商業娯楽施設などを建設する総合開発事業であるマニラベイ・リゾート全体への影響が大き過ぎる。延期にどんな正当性があるのか、タイガー社の弁明が注目される。
(SOURCE:rappler.com「trans by shimamori 」)