≪地元メディアの反応≫
日本の大手光学・電子機器メーカー「Olympus Corporation(オリンパス)」の韓国法人「Olympus Korea(オリンパス韓国)」は5月12日、Incheon(仁川:インチョン)市に医療トレーニングセンターを建設する計画を明らかにした。

同日、仁川(インチョン)市内のホテルで「Incheon Free Economic Zone (IFEZ) Authority仁川経済自由区域庁」と投資協約を締結し、オリンパス韓国のNaoki Okada(岡田直樹)CEOが記者会見(写真)で発表したもので、センター名は「Olympus Korea Training and Education Center(オリンパス韓国トレーニングセンター)」。
岡田CEOは「高齢化が急速に進行している韓国で国民の健康増進と医療産業の発展に寄与するためにセンター建設を決めました。センターが医療従事者の技能向上に役立つことを期待します」と述べた。
仁川市Songdo(松島)地区に建設されるセンターは地下1階から地上4階の5層構造で、敷地面積は5,056平方メートル、延床面積は約6,611平方メートル。同様のセンターは日本、ドイツ、米国、中国、タイにもあるが、韓国のセンターは中国のGuanzhou(広州市)に次ぐ規模となる。
新センターは、海外の医療機器メーカーが我が国に建設するものとしては、世界最大手の「Covidien(コヴィディエン)」がNorth Chungcheong Province(忠清北道)に建設した医療トレーニングセンターに次ぐ二つ目の施設だが、投資規模では最大の363億ウォン(約40億円)で、うち150億ウォンはオリンパス日本本社からの海外直接投資、残り213億ウォンは韓国法人の出資だ。
オリンパス韓国は「韓国の医療機器市場は中国のような他国と比較すると大きな市場とは言えません。韓国の医師たちの能力と熱意を高く評価するからこそ大きな投資を決めたのです。オリンパス以外のメーカーが製造した医療機器も用意して研修の機会を提供します」とセンター建設の非営利目的を強調している。
仁川経済自由区域庁のCho Dong-am副長官も「今回のオリンパスの投資によって区域が活性化され、域内に存在する生命科学分野の企業、例えばSamsung BiologicsやCeltrionのような企業にも好影響を与えるだろう。仁川経済自由区域庁はこのプロジェクトに最良の支援を提供する」と全面支援を明言した。
2017年2月完成予定だが、オープンすると年間1万人の医療従事者がここで研修を行うことになる。医療機器の専門的な製品教育と実習施設をはじめ、たとえば、現実の手術と同じ条件で技能訓練が受けられる模擬手術設備など、大学卒業後の現役医師に専門の診療科目に合わせた多彩なプログラムが用意されるという。
医療トレーニングセンター自体は確かに多額の維持費を要し、利益を生み出さない施設だが、医療機器事業が今や売上の7割を占めるオリンパスにとっては、今後成長可能性が高い我が国の内視鏡・外科市場を意識した投資決断であったこともまた事実だろう。
(SOURCE:The Korea Times「trans by shimamori 」)