インドネシア

成長鈍化の兆しか、オートバイ販売台数が予期せぬ急落、ホンダ、ヤマハにショック


≪地元メディアの反応≫

我が国の国内消費動向のバロメーターともなっている二輪車の販売台数が主要メーカーすべてで急落している。5%増を見込んでいた今年第1四半期の国内総販売台数は161万台と前年同期比で約19%も減少したことが明らかになった。

 

インドネシア 海外進出

 

業界団体「Indonesian Motorcycle Industry AssociationAISI:インドネシア二輪車製造業協会)」のデータによると、今年第1四半期のオートバイ販売台数は、首位の「Astra Honda Motor(アストラ・ホンダ)」が872,262台で前期比約25%の減少、ライバルの「Yamaha Indonesia Motor Manufacturing(ヤマハ・インドネシア)」が436,692台で約29%減だ。

 

同協会のGunadi Sindhuwinata会長は512日本紙の取材に対し、「第1四半期の急落は予想外の現象で、何の予兆も見られなかった」とショックを隠さなかった。

 

大幅減少の要因について会長は「昨年末以来の燃料価格上昇が引き金となったインフレの進行が止まらず、消費者の購買力が落ちていること」をまず挙げ、さらに「農産物や原材料価格の下落もジャワ島以外の成長市場に悪影響を及ぼしている」と述べた。二輪車の購買層は一般に価格の変化により敏感な中低所得者が多い。

 

近年、ジャワ島以外での販売台数は記録的な伸びを示してきた。国内最大市場の地位を保っているとはいえ、飽和状態に近づいていると言われるジャワ島のセールスも実は周辺農村部が支えているのだ。

 

インドネシア 海外進出

 

13月期のジャワ島での二輪車納品台数は104万台で販売総数の約63%を占めている。Gunadi会長は「7月のIdul Fitri festivities(イード・アル=フィトル:イスラム教の断食明けの祝祭)を1か月後に控えた第2四半期は、例年より緩やかであるかもしれないが一定の販売台数増が見込める」と販売の回復に期待を示した。

 

毎年この宗教行事の前は祝日の旅行に備えて二輪車の販売台数が伸びる時期だが、今年を苦難の年と認識したメーカー各社はすでに今年の販売目標を下方修正している。協会のデータによると、全体の総販売目標台数は当初の826万台から約21%下げて680700万台となったということだ。

 

Statistics Indonesiaインドネシア中央統計庁)の最新データによれば、政府は今年第1四半期のGDP(国内総生産)成長率を4.71%と予想している。過去6年間で2009年第3四半期以来の低い水準だ。

 

昨年末に第4工場の50万台増産体制を決定したばかりの王者ホンダをはじめ、ヤマハ、スズキ、カワサキと我が国オートバイ市場のシェアをほぼ独占している日本の4大メーカーにとって、当面苦難の時期が続きそうだ。

 

SOURCEThe Jakarta Posttrans by shimamori 」)

 


			
		

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