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中国
ソニー、中国当局の「指示」でプレステの1月発売を延期
≪地元メディアの反応≫
ソニー・コンピュータエンタテインメント(SCE:Sony Computer Entertainment)は、1月11日に予定していた自社のベストセラーゲーム機「プレイステーション 4(PS4)」 と「プレイステーション ヴィータ(PS Vita)」の中国での発売延期を決定したことを、発売予定わずか3日前の8日に発表した。
中国の「上海東方明珠文化発展公司(Shanghai Oriental Pearl Group)」とのパートナーシップのもとで中国本土への市場参入に満を持していたSony Computer Entertainmentは、延期の理由について詳細は語らず、最終調整にもうしばらくかかりそうだと述べるにとどまったが、中国の関係筋では「中国政府との長引く交渉が少なくとも延期の理由の一つになっている」と当局に指示による発売延期であることを認めている。新たな発売日は未定ということだ。
中国政府は14年続いた外国製ゲーム機の販売禁止措置を昨年解除し、ソニーのライバルであるマイクロソフトはすでに9月には中国国内37都市で「Xbox One」の中国版モデルの販売を開始している。ソニーは先行したマイクロソフトを追いかけ、さらに14年にわたる外国製ゲーム機の販売禁止期間に中国本土のゲーム市場を制覇してきたPCやモバイルのゲームとも争う厳しい商戦に挑むスタート地点でつまずくことになった。
中国はゲーム市場としては世界第3位に成長しており、昨年の総売上は約150億米ドルに達したと推定されている。しかし中国本土はゲーム機メーカーにはタフなマーケットであることは指摘されてきた。政府の検閲、認可基準が厳しいため、人気ソフトの多くが発売できなくなる可能性があり、そうなるとそのゲーム機自体に対する顧客の購買意欲が失せることになるからだ。
マイクロソフトは検閲が通り易いと言われるスポーツ系ゲームソフトを中心に10タイトルを販売しているが、ソニーはプレステ発売のために30タイトルのゲームソフトについて中国当局に認可申請を出した。「当局と緊密に連絡を取っている」と検閲への懸念には及ばないという姿勢だったが、最終的に発売が直前に延期されたことで、中国でのゲーム機市場参入の困難さがあらためて実証された形となった。
(SOURCE:South China Morning Post「trans by shimamori 」)