≪地元メディアの反応≫
東京に本拠を置くショッピングTV運営会社「Tri-Stage Inc(トライステージ)」が我が国最大手のTV通販事業者「TV Direct Public Company(TVD)」と業務提携することで合意、我が国で成長中のホームショッピング市場の本格的開拓に乗り出した。
TVDは、16カテゴリ2,000種以上の取扱商品を用意、顧客数は300万人に上る、業界最大手企業。現在は専門チャンネルを通じたTV通販のほか、カタログ通販やEC、店舗販売の事業も展開している。今回の業務提携は、日本企業およびタイの現地企業のBtoB通販支援事業を共同で行うと共に、タイ企業の日本進出における通販支援を促進するというものだ。
トライステージはすでに2013年末からタイでTV通販支援を開始しているが、昨年12月にはメディア大手「Rose Entertainment Corporation」と合弁会社「Rose-Stage Co」を設立し、初の海外拠点としてBtoC事業を開始した。出資金は1,000万バーツで、出資比率はトライステージが49%、ローズエンターテインメントが51%。
ローズエンターテインメントのOraphan Monphichit社長は「タイのホームショッピング市場は現在、一般小売市場の数兆バーツ規模に対して80億バーツ規模に過ぎない。まだまだ成長する余地がある」と述べている。
トライステージは日本でTV通販によるダイレクトマーケティング支援を行う大手事業者で、日本、韓国からの月間280点の商品調達や物流に実績がある。Oraphan社長によるとトライステージは今年8,000万バーツを投資し1億バーツの売上を目指しているという。
TVショッピングの番組は当面ケーブルTV局「CTH」の既存のチャンネル「Smile Channel(スマイルチャンネル)」「Family Guide(ファミリーガイド)」「Sports Spirit(スポーツスピリット)」で放送される。来年にはCTH内に新ショッピング・チャンネルを開設する計画だ。
ベトナム、マレーシア、シンガポールに続いてタイが東南アジアで4番目の市場参入となるトライステージは、タイ市場では健康・美容関連商品に重点を置くことで他の事業者と差別化を図っていく方針としている。
トライステージのYutaro Suzuki(鈴木雄太郎)執行役員は「日本で培ったノウハウと経験で消費者の関心を引き、TVホームショッピングをタイのショッピングスタイルに取り入れたい」と抱負を語った。
この数年間で「GS Home Shopping」社と「TrueVisions」局、「CJ Home Shopping」と「GMM Grammy」局、「Hyundai Home Shopping」社と「InTouch」局というように、韓国のホームショッピング事業者数社が放送局と提携して我が国に参入してきた。
我が国ではまだ全国的レベルでTVショッピングが浸透しているとは言えないが、外国の例を見れば、この市場が大きな規模に成長する可能性を持っていることは確かなところだ。外国事業者の参入が我が国の消費者にテレビを通じた新たな買い物行動を一気に普及させる契機となるか注目される。
(SOURCE:Bangkok Post「trans by shimamori 」)