ベトナム

低迷する高級衣料市場、日本企業はメディアを利用し販売促進


 ≪地元メディアの反応≫

ベトナムにおける高級衣料市場では一部を除き、殆どのブランドが厳しい販売状況に陥っている。この1年間で銀行の預金金利が10%近く下落したため、富裕層の購買意欲は下がる一方だ。
2013年2月の春節後、縫製工場に勤める人々の勤務継続率は90%であった。関係者は、「企業としては高い継続率を喜ばしく思うが、それは現在のベトナム経済が低迷し雇用が少なくなっていることを示している。」と述べる。
ベトナム 海外進出日系ファッションビル“ZEN PLAZA”を経営する福川資朗氏は、ここ1年ほど小売業の景気が悪いと語った。ホーチミン市で市場調査を行っていた三越伊勢丹ホールディングスも昨年12月にオフィスを閉鎖し、新店舗オープンのタイミングは今ではないと判断を下した。

オンワードベトナムの卸売ブランドICBも、ベトナムの経済状況と気温差によって業績が低迷しており、定価での商品販売が非常に難しくなっている。ICBはホーチミン市の中心にあるVincom CenterとDiamond Plazaの2つのデパートで、販売促進の様々な取り組みを行っている。

Vincom Centerにある1号店ではニューヨークの企画商品を取り扱い、日本の最新店舗と同様の環境を作っている。また、ホームページやSNSサイトを活用して顧客にベトナム語で最新情報を配信している。

経営コンサルティング会社のBrain Worksは日本の高級衣料メーカーを支援する目的で、ホーチミン市第7区のデパート“Crescent Mall”に“Japan Style Shop”を設立し、2011年11月から運営を始めた。また、今年7月からはベトナム南部のテレビ局HTV7で、フジテレビ系ドラマ“全開ガール”の放映を開始する。今後も様々な日本のドラマ・映画を放送し、日本のファンを増やしていく計画である。

この計画によって低迷する日本の衣料メーカーたちは巻き返しを図ることができるだろうか。テレビによる販促効果で新たな道を切り開けるか、今後の展開が注目される。(hc360)


			
		

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