≪地元メディアの反応≫

世界最大手のガラスメーカーである日本の「Asahi Glass Co（AGC：旭硝子）」は、タイで遮熱性能の高いLow-E膜コーティングガラスの生産能力を50％増強することを決定した。Low-E膜コーティングガラスは複層ガラスの内面部に特殊金属膜を設けた低放射ガラスで断熱性能が高く、冷暖房用のエネルギー使用量を大きく削減できる。

旭硝子のタイ法人「AGC Flat Glass Thailand Plc（AFT：AGCフラットガラス・タイランド） 」のSamut Prakan（サムットプラカン）工場に新たな設備投資を行い、生産効率を改善するだけなく、現在タイで製造している製品に比べてより高性能な製品をつくることを可能にする。生産開始は2016年第1四半期の予定だ。

建設ラッシュが続く東南アジアでは、最近の燃料の輸入増加や電力不足などを背景に、年間を通じて冷房を使用する大型ビルなどの省エネ性能向上が重要な課題となっており、冷房効率を高めエネルギー使用量削減に貢献する、Low-E膜コーティングガラスの需要が急速に高まっている。

AFTの生産能力の50％増強はそうした需要に対応するためだが、同時に今回の設備投資ではさらに品質の高い銀2層のLow-E膜コーティングガラスも製造できるようにするということだ。

従来AFTでは銀1層のLow-E膜コーティングガラスを製造、販売してきたが、銀を2層コーティングすることで、可視光線の透過率を維持しながら、遮熱性能が向上するため、明るく、熱を通さない窓作りができるという。

今般の投資によって、AFTは東南アジアで初めて、フロートガラスから銀2層のLow-E膜コーティングガラスまでを一貫生産できる工場を持つ会社となる。

我が国だけでなく経済成長に伴う建築ブームが続く周辺諸国はどこも電力不足と燃料コスト増大という問題を抱えており、その両方に貢献できるLow-E膜コーティングガラスの需要が今後ますます高まることは間違いない。東南アジアで唯一、我が国で生産できることになった銀2層のLow-E膜コーティングガラスは、内需だけでなく輸出製品としても高い将来性が期待できそうだ。

（SOURCE：The Nation「trans by shimamori 」）