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ミャンマー
三菱商事と日立製作所、国営ミャンマー鉄道から総額24億円の信号システム工事を受注、JICA支援の関連事業も視野に
≪地元メディアの反応≫
我が国の最大都市ヤンゴンと第2の都市マンダレーを結ぶ全長622キロ(約390マイル)の鉄道「Yangon-Mandalay Line(ヤンゴン・マンダレー線)」は片道15時間の長旅だ。時代遅れの鉄道は何十年も前から変わらずに、スピードが遅く、よく故障し、最近大きな修理をした形跡もない。しかし日本の援助で鉄道の質を向上し、近代化するためのいくつかのプロジェクトがいま進行している。
日本の総合商社「Mitsubishi Corporation(三菱商事)」と日本最大の総合電機メーカー「Hitachi Ltd(日立製作所)」は5月15日、「Myanma Railways(国営ミャンマー鉄道)」と鉄道信号システムを設置する総額24億円(約2,000万米ドル)のシステム納入及び工事契約を締結した。
工事は2017年6月に完了予定で、発注額は日本の独立行政法人「Japan International Cooperating Agency (JICA:国際協力機構)」の資金供与で賄われるということだ。
工事によって列車モニターシステムや電子連動信号システムなど、信号灯の点滅をはじめ、線路のポイント切替えや踏切開閉などを制御する最新の信号技術がYangon Central Station(ヤンゴン中央駅)から北方のBago Region(バゴー地方域)のPyuntasa Station(ピュンタザ駅)までの約140キロ区間に設置される。
三菱の担当者によれば、工事はまず踏切管理システムの設置から始まり、今年10月中に完成予定となっているが、最も重要なのは、コントロールセンターが走行する列車の位置を把握できる列車モニターシステムということだ。
三菱と日立は今回受注したプロジェクトを第一歩として、今後もミャンマー国内の鉄道インフラ関連プロジェクトを受注する機会を求めていきたいとしている。
2014年9月、JICAはミャンマー政府とODA資金供与契約にあたって国内の4事業を指定しているが、今回のヤンゴン・マンダレー線改善プロジェクトの他にも、ヤンゴン市を環状に走る鉄道線「Yangon Circular Railway」の改修事業も計画しており、三菱の担当者によればこれも「100%確定したわけではないが日立と共同で手掛けることになる」ようだ。
我が国の鉄道網の改善に関心を持っているのは日本だけではない。中国も、我が国北東部の国境地帯に位置する都市Muse(ミューズ)と南西部Rakhine State(ラカイン州)の港湾都市Kyaukphyu(カイオックピュ)を結ぶ鉄道建設の野心を長く抱いている。しかしこれには住民を始め国内に反対が多く、昨年計画は棚上げされた。
我が国では鉄道インフラの老朽化が原因で年間約100回もの事故が起こっている。サービスの質と安全性向上のため早急な対応が望まれるが、ミャンマー鉄道ではさらにJICAの資金援助を受けてヤンゴン・マンダレー線に時速100キロの高速鉄道導入も計画中だ。2大都市間が従来の半分以下に短縮される安全で速い鉄道サービスが実現すれば、その経済効果ははかり知れない。
(SOURCE:The Myanmar Times「trans by shimamori 」)