≪地元メディアの反応≫
ホンダ(Honda Motor Co.,Ltd)のインドでの二輪車部門会社「Honda Motorcycle and Scooter India Pvt.,Ltd.(ホンダ二輪インド)」は、オートバイとスクーターでそれぞれ全く新しい低価格モデルを開発中であることを認めた。
各モデルの仕様の詳細や発売時期については明らかにしていない。かつてヤマハも、中国、インド、アフリカなどを含む新興国市場でライバルのホンダに対抗するために、インド国内の生産拠点で世界最低価格の二輪車を生産する計画であることを発表している。ホンダ・インドで計画・開発されるオートバイとスクーターの低価格モデルは2015年から2016年にかけて順次商品化を予定している。

しかし、原料価格と人件費の上昇が、低価格二輪車開発にとっての大きな障害となっている。ホンダは4年前、ニューデリーを本拠とするHero MotoCorpとの20年以上続いてきた合弁事業に終止符を打ったが、その後、第3工場建設を含め急速に事業を拡大したこともコスト上昇の大きな要因となっている。
過去3年間でホンダは、インドにおける従業員数を3倍以上の20,000人に増員し、生産能力は約2倍の年間460万台となった。市場のシェアは2011年3月の12.7%から2014年11月には27%に伸びている。同社村松社長は「低コスト・モデルを世に出すのは簡単ではない」と認めている。「この3年で我々はそのことを学びました。多様性に富んだインドのような市場でコストを削減するのは難しい」
ホンダは世界で最も安価なオートバイを中国とナイジェリアで販売しているが、インド市場には導入していない。村松社長は「ナイジェリアで販売している低価格バイクとは全く違うモデルの開発を目指している」と言う。「インドの顧客は良い物を見分ける目を持っており、新鮮な魅力ある製品を提供しなければなりません。製品の革新を続けながら価格を低下させるのは困難な課題ですが、だからこそ私たちは当地インドのテクノロジーセンターに投資しているのです」
ホンダ二輪インドのオートバイ売上は11月3.05%減少しているが、スクーターを含めた二輪車売上では4.89%増加しており、成長が止まった感のあるインドのオートバイ市場にもかかわらず、ホンダは来年度10%以上の売上増を見込んでいる。
しかし、アジア第3位の経済規模を持つインド市場にあって、現実には45,000ルピー(約85,000円)以下のバイクが売上の65%を占めている。さらに気候変動と農産物価格の下落、賃金低下によるインド農村部の不況がバイク売上に与える影響も考慮する必要があるだろう。
低価格モデル導入の成否は、来年以降のホンダ二輪インド成長のキーとなるかもしれない。
(SOURCE:livemint.com「trans by shimamori 」)