ベトナム

LSI設計検証サービスの「CMエンジニアリング」、ベトナム国家大学内の研究機関にIC設計を発注し、国策を支援


≪地元メディアの反応≫

IC(集積回路)業界の人材育成とICチップ生産技術の研究開発を目的とするホーチミン市の「The Integrated Circuit Design Research and Education CenterICDRECICデザイン研究教育センター)」が、日本のLSI(大規模集積回路)設計・検証サービス、半導体関連商品の製造販売大手「CM Engineering(シーエム・エンジニアリング)」からシーエム社が製造するICチップへの電力供給部分の設計を受注、69日に契約締結のセレモニーが行われた。(写真)

 

ベトナム 海外進出

 

発注額は6万米ドル。同センターが外国企業から発注を受けるのは初めて。契約では設計は1年以内に完成することが求められているが、センターは半年で仕上げる意向だ。

 

「今回の契約は、センターによるより高度な製品の製造に道を開いて、ICチップ製造分野でのベトナムと日本の協力関係に新たな前進となった」と語ったICDRECNgo Quang Vinh副センター長によると、シーエム社は今回の発注の前に2年間にわたってセンターの主にアナログIC部門の能力について評価検証し、最終的に発注を決断したという。

 

今回の契約成立で「センターの研修プログラムの効果が証明された」と自信を見せるVinh副センター長は、センターがすでに他の外国企業と委託契約に関する協議を始めていることも明らかにしている。

 

ICDREC20058月、「The Vietnam National University-Ho Chi Minh CityVNU-HCM:ベトナム国家大学ホーチミン市校)」の学長の決断で同校キャンパス内に創設された。我が国のIC業界の人材育成や研究・実用化技術の開発の中心的存在となることを目指して活動している。

 

セレモニーの同日、ICDREC2013年にホーチミン市で始まったIC業界の人材育成計画の最初のプログラムとして「アナログ+1チップ設計コース」を修了した。コースを終えた15人の研修生を加え、センターが育てたエンジニアは125人となった。

 

育成計画では2,000人の技術者、専門家を育て、2020年までにICチップ製造工場を建設することになっている。工場建設はすでに首相の承認も得ており、ホーチミン市のハイテク企業が集積する「Saigon Hi-Tech Park(サイゴン・ハイテク工業団地)」内に66,000億ベトナムドル(約3300万米ドル)を投資して建設される予定だ。新工場では、IDカードやバンクカードの他、軍事施設の管理システムに関わる製品なども製造するということだ。

 

シーエム・エンジニアリングは昨年5月、ホーチミン市で子会社「CM Engineering Vietnam Co.,Ltd.(シーエム・エンジニアリング・ベトナム)」を設立している。我が国の国策に沿ったICDRECの計画を支援して提携関係を深めながら、高度なLSI設計・検証サービスの分野では海外展開、研究開発の中核拠点として、着実にその地位を築きつつあるようだ。

 

SOURCEThe Saigon Timestrans by shimamori

 


			
		

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