アメリカ

若き日本人CEOが開拓に挑む注目のスタートアップ企業


 ≪地元メディアの反応≫

コンピュータ関連企業が集まる地域として有名なアメリカのシリコンバレーでは、そこから最先端の技術が世界に発信されてゆくことが殆どで、シリコンバレーに新しい技術や発想が参入するということは稀である。

しかし、日本人の福山太郎氏をCEOとして設立されたAnyPerkというスタートアップ企業が、まさにこの稀なケースだ。
AnyPerkは18ヶ月間で、既に2,500あまりの顧客を持つ企業へと成長した。彼らはWEBで配られるクーポンや割引などの“perk(余録)”を、従業員の福利のために企業に提供する事業を行なっている。
アメリカ ニュースメディア現在25歳の福山氏は日本の東京で育ったが、高校時代に交換留学プログラムを体験し、いつかアメリカで会社を創立しようと決めたという。
彼は、かつてY Combinatorという有名な投資企業から援助を受けたことがある。他の数多くのY Combinator卒業生と違うところは、日本人チームとして採択されて卒業した初のスタートアップ企業ということだ。

しかしプロジェクト実施から3ヶ月、全く目標数値には達しなかった。最終的に福山氏は、何かのアイデアを日本から輸入することを決め、企業が従業員に福利手当てを提供するためのプラットフォームサービスを行なう日本企業に着目した。
アメリカでこのような事業を行なう企業として最も知名度が高かったBetterWorksが、2012年5月に倒産し。彼らは中小企業に焦点を当てており、種類は主にレストランのクーポンであった。

AnyPerkは、日本企業のモデルを真似て全ての規模の企業を視野に入れたことにより大きな影響力を得た。また携帯電話のキャリアであるAT&Tのデータプラン15%割引や、Verizonのデータプラン8-15%割引、レンタカーやフィットネスクラブの割引など様々な種類を扱う。企業がAnyPerkを利用する際、各従業員が月額5ドルの手数料を支払う必要があるが、企業所在地等の理由による利用制限はない。

福山氏は、この事業モデルがアメリカでも通用すると感じている。企業の規模に関わらず特にアメリカのこの地域では、より良い人材の募集と保持の競争が激しい。そのため、より従業員の待遇を良くすることが企業に求められつつあると言える。

現在、AnyPerkに16人の従業員がおり、その中の1人はかつてBetterWorksに勤めていた。福山氏はこのチームの中の、ただ一人の日本人である。
福山氏はアメリカのスタートアップ企業で働く1人の外国人として、大変貴重な存在であると言えるだろう。彼が皆と異なった視点で物事を捉えることができるからである。

彼は「日本人でもアメリカで成功できることを証明したい。殆どの日本人は私たちが海外で何もできないと思っているが、事実はそうではない。中国やインドの人々の多くはアメリカに来て世界に挑戦する。だから、日本人たちにもやればできることを示したい。」と述べている。
また、成功の模範として福山氏は日本人の野球スターである鈴木一郎氏のことを話した。鈴木氏は日本における国民的英雄だか、アメリカの人々は彼の出身地について興味はなく、ただ“腕の良い野球選手”として捉えられている。福山氏は「他の分野での“イチロー”になりたい。」と語った。

AnyPerkは去年、1.5億ドルという巨額の資金を集めることに成功した。
今日、日本が米国にもたらす影響は大なり小なり様々にあると言えるが、果たしてAnyPerkは鈴木一郎氏のような大きな功績を残せるだろうか。

福山氏は家族のために日本にいつかは帰るかもしれないが、今はサンフランシスコで幸せな生活を送っていると言う。最高の人材や投資家、スタートアップ企業が多いサンフランシスコは、会社を設立するには最も良い都市ではないだろうか。
しかし、彼には1つだけの不満がある。
「残念だが、食べ物は東京の方がはるかに良い。」とのことだ。(pandodaily.com)


			
		

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