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シンガポール
ファッションブランド「ローリーズファーム」がシンガポール撤退
≪地元メディアの反応≫
日本のファッションブランド「ローリーズファーム(LOWRYS FARM)」は、2012 年に第1号店をオープンして以来、わずか3年でシンガポール撤退を決定した。「Suntec City Mall」や「313@somerset」のような絶好のロケーションを選んでオープンした8店舗は、旧正月の前日にあたる2月18日までにすべて閉店する。
ローリーズファームの親会社「アダストリア・ホールディングス」は、シンガポールに進出しているもう一つのブランド「グローバル・ワーク(GLOBAL WORK)」の店舗も閉店し、さらにシンガポールの店舗運営会社「アダストリア・シンガポール(ADASTRIA SINGAPORE PTE. LTD.)」も清算する方針を決定した。
従業員には約2か月前に撤退の決定が伝えられた。人事担当のJoanna Kanさん(26歳)によると、約150人の従業員は全員解雇されるが、「日本の本社から経営者がシンガポール入りし、オフィスと全店舗を回って従業員に事情を説明し謝罪した」ということだ。顧客に対しても今年に入って各店舗で従業員から伝えるようになった。本誌記者は1月8日に「Westgate Mall」内の「グローバル・ワーク」を訪れたが、すでに最大50%オフの「さよならセール」を実施していた。同様のセールは「ローリーズファーム」の各店舗でも行われているようだ。
シンガポールで小売店舗をオープンした日本企業が黒字化の目処がたたず店舗閉鎖、現地法人清算に至るケースは今回の「ローリーズファーム」が初めてではない。スキンケアブランドの「Fancl」は昨年3月に13店舗を閉店したし、ライフスタイルショップの「Francfranc」はやはり昨年5月、進出後わずか2年でシンガポールから撤退している。
「アダストリア・ホールディングス」は多種のブランドで日本国内に約1,200店舗、海外に91店舗を展開、「ローリーズファーム」ブランドでは、日本と海外合わせて約200店舗が営業し昨年には韓国市場にも進出している。
シンガポール撤退の理由として、同社のスポークスマンは、現地の気候に商品展開が上手く対応できず売上が伸びなかったことを挙げた。「ローリーズファーム」と「グローバル・ワーク」は、ともに働く若い女性をターゲットにしたカジュアルウェアを主力商品としている。パステルカラーや花柄が多く、ロングスカートにゆったりしたトップス、というイメージがある。
シンガポール工芸専門学校のSarah Lim上席講師は、ローリーズファームは、価格がネックになって厳しい競争に耐えられなかったと説明している。「ターゲットである若い女性向けにはH&MやStradivariusなど、安売りで攻勢をかける国際ファストファッションブランドの多くがシンガポールに進出しています。さらにシンガポールの店舗賃料や人件費は他のアジア諸国と比較してかなり高く、売上が好調でも利益が出ないケースもあります。ローリーズファームは、H&Mよりずっと高くて多くの若い女性には手が届かず、一方で働く女性はもう少しフォーマルな服を望んだのです」
(SOURCE:The Straits Times「trans by shimamori 」)