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トヨタが大統領令を歓迎。投資拡大とサプライヤー・ネットワーク構築に免税特典の追い風
≪地元メディアの反応≫
トヨタ自動車のフィリピン法人「TOYOTA Motor Philippines Corp.(TMP:フィリピントヨタ)」はBenigno Aquino(ベニグノ・アキノ)大統領が「Comprehensive Automotive Resurgence Strategy Program(CARSプログラム)」を承認した5月29日の第182大統領令を歓迎する声明を出した。
TMPのMichinobu Sugata社長は声明で「CARSプログラムによって国内自動車産業にさらなる繁栄と経済貢献の機会を与えてくれたフィリピン政府に感謝したい」と述べている。
CARSプログラムは投資額と生産台数の基準をクリアした自動車メーカーに一定の特典を与えることで、国内自動車産業の活性化を図るプログラム。「Department of Trade and Industry(DTI:貿易産業省)」内の「Board of Investment(BOI:投資委員会)」で2012年1月に始められた政府の国内産業発展支援計画「Industry Roadmap Project(IRP)」から派生し、自動車産業に特化して成立したものだ。
自動車業界に待望されていたこのCARSプログラムが、地域的統合を進めて業界の価格競争力と国内生産能力の向上を促すことが期待されている。
大統領令によって、政府は総額270億ペソ(約750億円)の自動車産業開発基金を創設、4輪自動車を3車種、6年以内に20万台以上生産する計画を提出したメーカーに基金から2016年以降、最大90億ペソに相当する特典を与えることになった。
特典を受ける企業は生産台数の他にも、その車種生産のために、車体の組み立てや大型プラスティック部品の製造、またそれに関わる雇用創出に対する投資義務が発生する。特典は税支払証明書という形で支給され、企業はそれを諸税の支払いに充てることができるということだ。
「The Chamber of Automotive Manufacturers of the Philippines Inc(フィリピン自動車製造業協会)」の最新データによると、フィリピントヨタはこの4月に9,467台を販売し、販売台数首位の座を維持するとともに、1989年に我が国で事業開始して以来の総販売台数が1,000,468台となり、ついに100万台の大台を超えた。
これまでトヨタの事業方式はトヨタのサプライヤーを中心に我が国の業界の連携関係に大きな影響を与えてきた。CARSプログラムの実施によって、現在国内生産している「INNOVA(イノーバ)」(写真)、「VIOS(ヴィオス)」に新たな車種も加わることになり、トヨタの事業規模拡大のための投資の引き金となることが予測される。
世界ナンバーワンの自動車メーカーにとって車種を増やし、生産台数を確保することも、そのための投資も難しいことではなく、プログラムへの参加要件に懸念はない。むしろこれを機会に我が国にトヨタを取り巻くより強力なサプライヤー・ネットワーク構築が加速することになるだろう。
(SOURCE:The Manila Times「trans by shimamori 」)