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トヨタが10億ドルの新工場を建設、3年間の凍結を解除しついに動く。その狙いとは?


≪地元メディアの反応≫

世界最大の自動車メーカー「Toyota Motors Corp.(トヨタ自動車)」が総額13億ドル(約1,560億円)を投資してメキシコに新工場を建設、中国でも生産ラインを新設して、年間生産能力を合計30万台増やす計画が415日に発表された。中国では2018年、メキシコでは2019年に稼働を予定している。

メキシコ 海外進出 

2009年に始まるアクセル、ブレーキペダル、フロアマットなどの不具合によって発生したトヨタのリコール台数は全世界で1,000万台を超えた。品質への懸念が生じたこともあってトヨタはこの3年間、新工場建設を凍結し、既存工場を見直して能力を最大限活用し稼働率を向上させる取り組みを進めてきた。

 

今回凍結を解除して動き出したトヨタは、最初の投資先にメキシコと中国を選択、成長が見込める市場の競争力強化を目指す。

 

中国で生産ラインが拡張されるのは、トヨタと中国の自動車メーカー「Guangzhou Automobile Group Co.,Ltd.(広汽集団)」の合弁企業が運営するGuangzhou(広州市)の工場で、現在は小型車「Yaris(ヤリス)」を製造している。

 

メキシコ 海外進出

 

生産ラインの新設で年間生産能力が10万台に伸びるだけでなくミッドサイズカーの生産も可能になる。中国でのミッドサイズカー需要の高まりを視野にトヨタは中国での市場シェアを現在の4%から増やしていく上でGuangzhou工場の生産車種を多品種化する狙いのようだ。

 

メキシコでは中部のGuanajuato(グアナフアト)州に年間最大生産能力20万台の新工場を建設する計画だ。2019年稼働予定の新工場では、2,000人を雇用し、24時間操業体制で米国でのトヨタ車売上2位の人気コンパクトカー「カローラ」セダンを北米向けに生産することになる。

 

これにより北米でのカローラ生産はメキシコ新工場とミシシッピ州Blue Springno工場に集約されることになった。北米市場の生産体制再編の一環として、カローラの生産をカナダ工場からメキシコ新工場に移管し、カナダ工場ではミッドサイズモデルの生産に集中することになりそうだ。

 

メキシコと中国の新工場、新生産ラインが稼働すれば、トヨタの全世界での年間生産能力は1,100万台に届くことになる。トヨタは昨年の総販売台数は1,023万台で「General MotorsGM)」や「Volkswagen(フォルクスワーゲン)」を抑えて世界ナンバー1の座を守った。

 

メキシコ 海外進出

 

44日メキシコシティーのメキシコ大統領官邸でエンリケ・ペーニャ・ニエト大統領(写真中央)も出席して投資額10億米ドルの新工場建設計画の発表セレモニーが行われた。トヨタの投資決断に対する国を挙げての期待のほどが分かるだろう。

 

米国のフォードもトヨタ発表の2日後、25億ドルを投じてメキシコ工場の拡張計画を発表しており、我が国は今や世界的企業にとって投資することで全世界に存在感を示す最適の地となっているようだ。

 

大統領がセレモニーで述べたように、世界的巨大市場に隣接する地理的優位に加えて、労働者の質と良好な労使関係が維持できれば、今後も我が国への投資増大に有利に働くことだろう。

 

SOURCEThe Guardian and The China Posttrans by shimamori 」)

 


			
		

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