マレーシア

日本の建材・化学品販売大手「新ケミカル商事」、マレーシアの鶏糞利用バイオマス発電事業に参画で合意


≪地元メディアの反応≫

マレーシア、シンガポール、米国などで農業、養鶏業、食品加工業を展開するアジア最大級の食品関連コングロマリット「CAB Cakaran Corporation Bhd」は320日、日本の建材や化学品・肥料などの販売大手「New Chemical Trading Co.,Ltd.(新ケミカル商事)」、マレーシアの不動産開発・建設業大手「Seri Kedah Corporation Sdn Bhd」との間で、マレーシアにバイオマス発電施設を建設することで合意し、覚書に署名した(写真)ことを発表した。

 

マレーシア 海外進出

 

発電施設は2017年に完成予定で、CAB Cakaran社にとって養鶏業界の川下分野への初参入となる。CAB Cakaran社のChuah Hoon Phong CEOは、バイオマス発電の可能性について「鶏糞を燃料として焼却する過程の副産物で肥料を生産できます。さらに電力を販売することも、くず肉処理過程から家畜飼料用の蛋白質やカルシウムも生産することもできるのです」と期待を示している。

 

ジョイントベンチャーのために、政府の「Sustainable Energy Development Authority MalaysiaSEDA:持続可能エネルギー開発庁)」や政府系で東南アジア最大級の電力会社「Tenaga Nasional Bhd (TNB)」、その他バイオマスや太陽光発電に関連する官庁などと交渉し、必要な建築許可や、事業免許、助成金を得るのは「Seri Kedah」社の担当だ。

 

覚書によると、我が国の地域ごとの重点産業を定めた長期開発計画を監督助成する官庁のうち、北部回廊地域を管轄する「Northern Corridor Implementation Authority (NCIA:北部コリドー実施庁)」からバイオマス発電事業のための助成を受け、二つの合弁企業を設立することになっている。

 

パートナーシップの第一段階として「新ケミカル商事」とSeri Kedah社は、バイオマス発電に関連する特定技術に関連する免許取得のために合弁企業を設立し、発電施設はバイオマス発電に実績を持つ日本の「Nangoku Kosan Co., Ltd.(南国興産)」が設計を担当、合弁企業が施設・設備の運用管理、肥料販売を行う予定だ。

 

第二段階ではCAB Cakaran社を加えた3社でバイオマス発電と電力販売に特化した合弁企業を設立するが、出資比率はCAB Cakaran51%、残る49%をSeri Kedah社と最初に設立する合弁企業の分割保有となる。

 

CAB Cakaran」社は合弁企業に対して、マレーシアにおける養鶏業に関する情報とバイオマス発電の実現可能性に影響を与える情報を提供し、「新ケミカル商事」は肥料販売など事業展開に必要なノウハウを提供することで、合弁事業に貢献しなければならない。

合弁企業の設立を待たずに、現在すでに鶏糞などを利用するバイオマス発電事業に不可欠な廃棄物収集や施設建設にとって最適な場所、最適な土壌を求める実現可能性調査が行われているそうだ。

 

鶏糞を利用する再生可能エネルギーの開発は、鶏肉の消費量の多いイスラム圏では鶏糞公害も解決できる一石二鳥の有望事業として期待が大きい。

 

SOURCEBernamatrans by shimamori 」)

 


			
		

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