インドネシア

ユニチカがインドネシア子会社の上場廃止を目指し、未保有株買収へ。非公開化でテコ入れ強化に道


≪地元メディアの反応≫

日本の大手繊維メーカー「Unitika Ltd.(ユニチカ)」は我が国の紡織加工子会社「Unitex(ユニテックス)」の未保有株式を総額44億ルピア(約33万ドル)で買取る提案を行っていることが分かった。

 

ユニチカは811日から910日までの1か月間で実行される株式買取りの担当証券会社に「Nikko Securities Indonesia(日興證券インドネシア)」を指名した。

 

インドネシア 海外進出

 

現在ユニテックスの発行済み株式は69.4%をユニチカが保有し、Indonesia Stock Exchange(インドネシア証券取引所)に上場している。他の主要株主は地元の不動産業者Henry Onggo氏が9.4%、Henry Lohananta氏が8.6%を所有しており、残りの12.6%が市場で取引されている。

 

ユニチカが今回の株式買取によって出資比率を80%を超えるまで高めることになれば、インドネシア証券取引所の上場基準を上回る比率となるため、ユニテックスは上場廃止となる。非公開会社とすることで、より効率的・機動的な資金管理・事業運営を行うことが狙いだ。

 

710日に「Investor Daily」で公表された目論見書によると、ユニチカは1株当たり5,305ルピアで833,285株を買取る計画で、これはユニチカによるユニテックス上場廃止計画が発表された410日以前の90日間で記録した最高値より43%も高い価格だ。

 

ジャカルタ南方のBogor(ボゴール)に本拠を置くUnitex1970年創業以来、先染め紡織加工会社としてポリエステルと綿の衣料生地を生産、輸出してきた。特殊複重層糸「パルパー」の紡績設備を日本から移設してユニフォーム用シャツ地なども生産している。

 

昨年の売上は2,050万米ドルで、2013年の2,000万ドルから微増したが、人件費とエネルギー価格の上昇に苦しみ、営業利益は170万ドルから586,428ドルへ66%も低下した。

 

一方ユニチカグループの商社「Unitika Trading Co.,Ltd.(ユニチカトレーディング)」が昨年首都ジャカルタに現地法人「Unitika Trading Indonesia(ユニチカトレーディング・インドネシア)」を設立、11月から本格的に事業を開始した。

 

ユニチカトレーディング・インドネシアは、ユニテックスが提供する生地を衣料品として製品化し、日本に輸出するほか、ユニテックスとの連携を強化しながら我が国の生産・販売拠点化を進め、成長が続く東南アジアでカジュアルやスポーツ用途の衣料生地・製品販売を拡大する方針だ。

 

衣料産業では、生産拠点を中国から若い労働人口が豊富なASEAN地域へシフトする動きが活発だ。また中間所得層の拡大が進み、生産拠点のみならず販売マーケットとしても重要性が増している。

 

我が国をベトナムと並ぶ生産販売拠点とするには、ユニチカトレーディング・インドネシアとユニテックスが連携を深め、ユニテックスが市場のニーズに迅速に対応できることが不可欠だ。ユニチカによる上場廃止計画は、ユニテックスの業績回復のため、市場の思惑から自由にテコ入れしたい、ということなのかもしれない。

 

SOURCEGlobeAsiatrans by shimamori 」)


			
		

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