インドネシア

造船・海運大手「常石グループ」がインドネシアで船舶修理事業開始決定、造船業参入への足場に


≪地元メディアの反応≫

日本の広島に本社を置く大手造船、海運グループ「Tsuneishi Holdings Corporation(常石ホールディングス)」は約4,000万米ドルを投資し、我が国で船舶修理事業をスタートする計画であることが明らかになった。

 

インドネシア 海外進出

 

常石ホールディングスのYasuharu Fushimi(伏見泰治)会長兼社長は声明で「インドネシアの海運業は大きく発展する可能性を持ち、毎年修理が必要になる船舶数は約3,300隻に上ると見込まれます」と投資決断の理由を語った。時期については明言を避けているが、将来的には造船業にも乗り出す意向のようだ。

 

日本で第7位の海運会社でもある常石は、すでに中国、フィリピン(写真)、パラグアイで、海運、造船、エネルギー、環境の各分野で事業展開している。

 

常石の船舶修理事業は「Indonesia Investment Coordinating Board(インドネシア投資調整庁)」が5月に大阪、東京、名古屋の3都市で開催した投資PRイベント中に、多くの企業と会議、面談が行われ、決まった投資案件の一つだ。インドネシア投資調整庁は、投資分野の許認可と相談業務を行う大統領直属の機関で、2003年には東京に日本事務所を開設している。

 

投資調整庁のFranky Sibarani長官によると今回の常石による対インドネシア投資は、カンボジア、ベトナム、ミャンマーを含む東南アジア諸国への投資機会についても調査した上で決定されたという。「常石の投資は2段階に分けて実行される。第1段階が船舶修理事業の4,000万米ドルで、これは将来造船事業に拡張しうるものだ」と事業拡大に伴うさらなる投資に期待を寄せた。

 

長官はまた事業候補地としてLampung(ランプン)、Lamongan(ラモンガン)、Surabaya(スラバヤ)、Makassar(マカッサル)、Manado(マナド)の5か所を推薦したことも明らかにした。うちスマトラ島のランプンとジャワ島のラモンガンは我が国の海運業の新たなセンターとして開発されている。

 

17,000以上の大小の島々で構成される我が国は現在、「インドネシアを海運の中心地に発展させる」という政府の大目標に従って、海運業成長に拍車がかかっており、「The Indonesian Chamber of Commerce and Industry(インドネシア商工会議所)」の試算によると、我が国の海運業は年間売上高が200億米ドルに達しているという。

 

政府は国の東西を結び、高騰する物流コストを軽減するために、今後5年間で各地に24の新たな港湾を建設することを計画している。しかし現在、国内の造船業では年間に必要とされる客船、魚介運搬船、巡視船など合計1,000隻のうち、30%程度の生産能力しかない。残りの70%は当面外国頼みとなるため、常石のような直接投資による国内生産力アップは最も歓迎されるところだ。

 

最近政府は、企業が我が国に投資を実行してから6年間、投資額の最大30%を課税所得から差引くことができるとする新たな減税策を発表した。インセンティブとして有効だろうが、さらに船舶の国内生産率を上げるためには、減税特典の他にも外国企業による海運・造船業界への直接投資を促す方策を多角的に考える必要があるだろう。

 

SOURCEThe Jakarta Posttrans by shimamori 」)