中国

中国市場で奮闘する日本のアパレルメーカーたち


 ≪地元メディアの反応≫

ここ最近、中国に参入する日本アパレルメーカーの動きが再び活発になってきている。
各アパレルメーカーは次々に工場と協力関係を結び、中国市場に向けた商品企画を強化し、最速の生産サイクルを追求する。また、韓国などの隣国市場も視野に入れ、その市場に合った新しいブランドを立ち上げるなど積極的な動きを見せている。

日本アパレルメーカーの中でも、特に好調な企業をいくつか紹介したい。
中国 海外進出◆商品デザインを徐々に中国のスタッフに引き継ぎ「100%現地化」を目指す
日本のアパレルメーカーであるイトキン株式会社の中国法人、上海イトキンファッションセンター有限公司は2013年の秋冬から、若者向けのブランド“iiMK”と“KLEIN PLUS”の全ての商品を中国で販売するという。
同時に、現地向けデザインを強化していくために商品企画は徐々に中国デザイナーに引き渡し、最終的には全て中国のスタッフで完結できるような仕組みに変えていく計画だ。
中国市場では次々と新たなブランドが登場し、競争も加速化している。中国の消費者の心を掴み、需要に合った商品を生み出せるかが最も重要であり、そのために同社は「100%の現地化」という戦略を選んだ。
また、同社は協力関係を結ぶ工場と共に、生産速度の向上を計画している。店舗の販売データを把握することで、売れ筋商品が欠品しても1ヶ月以内に再入荷できるようになるという。

◆体系の研究と市場調査を強化、商品を受け入れ易くする
2013年1月、下着メーカーである株式会社ワコールホールディングスの中国法人、ワコール(中国)時装有限公司はグループ会社のワコール人間科学研究所と合併し、品質向上のため中国人女性の体系についての研究と市場調査をより強化した。近年、同社は積極的に現地の市場ニーズに応えることで、効果的に事業成績を向上させた。ワコールブランド商品の90%以上が中国向けに考案されたものだという。
元々、中国市場ではデザインを優先した商品を多く販売していたが、現在は長年の研究で蓄積された知識や技術を柔軟に利用し、シェイプアップ効果の期待できる下着やフィット感の向上などに注力している。

◆組織再編、効率の良い業務プロセスを確立
株式会社オンワード樫山の中国法人、恩瓦徳時尚貿易(中国)有限公司は企画、仕入れ、販売などの社内組織をブランドにより再編した。生産から販売までをより分かりやすい関係に配置したことで、スタッフの仕事への意欲を向上させた。
2012年に組織再編を行なった後、同社が真っ先に日本から送り出した婦人服ブランド“rosebullet”は、企画や店舗スタッフが総動員で毎週の販売状況を確認し、売れ筋商品を調べた。これによって会社全体が一致団結し、効率の良い業務プロセスにも結びついたことで売上も大幅に上昇した。

◆市場の需要把握し、迅速に商品導入を図る
株式会社三陽商会の中国法人、上海三陽時装商貿有限公司は婦人服ブランド“Smacky Glam”の販売業績が伸び悩んでいることを受け、店舗の総合力を高めるために現地で企画した商品を全ての店舗に普及させる計画である。
同社は工場と新たな協力関係を構築し、生地の入手から店頭へ商品を提供するまで3週間以内というルールを徹底している。各店舗のニーズを確実かつ正確に吸い上げるため2013年春、企画部門と店舗の間を取り持つスタッフを増員した。現在、現地向け企画デザイナーは3名おり、約60%の商品が現地企画である。
2012年の秋冬、このブランドのコートやニットは中国で人気を博し、一時的に現地企画商品の販売率が80%を超えた。

多くの日本アパレルメーカーが戦略を駆使し、中国市場シェアの獲得に積極的であることがよく分かる。この競争で勝ち抜くために、各アパレルメーカーは中国市場の需要をより理解した商品を企画し、また活発に新たなターゲットの開拓を行なっていく必要があるのではないだろうか。(中国纺织报)


			
		

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