中国

大気汚染が日本の空気清浄機に好機をもたらす


 ≪地元メディアの反応≫
イギリスの「フィナンシャル•タイムズ」によると、中国で落ち込んでいた日本家電メーカーの販売力が、空気清浄機によって回復し始めているという。

現在、中国で問題になっている大気汚染だが、健康への影響を心配する人々をターゲットにすることで、日本家電メーカーたちは予期しない好機を得ることとなった。

ここ数ヶ月、国民たちは大気汚染を心配するとともに、日本企業であるダイキン、パナソニック、シャープの製造する空気清浄機が、中国での売上げを急激に伸ばしている
中国 海外進出シャープによると、中国での空気清浄機の販売量は先月に比べ、約2倍の増加となった。同社の空気清浄機は中国で販売する主要製品の一つであり、その売上の割合は白物家電の30%を占めているという。
また、パナソニックでも販売量は増加しており、有名な空調メーカーのダイキンに関しては、なんと約2.6倍も増加したという。
これらの数値は、中国ブランドの製品を大きく上回るという。

シャープとパナソニックにとって、空気清浄機の需要は朗報である。この両社は現在、黒字化に苦労している。シャープは、三月までの一年、当期純損失額は過去最悪の4,500億円(48億ドル)である、そして、パナソニックの当期純損失額は、7,650億円に達すると予想している。

パナソニックの代表は「中国の大気汚染問題は、私達の空気清浄機の販売に大きな影響を与えた。また、空気清浄機の市場は今後も成長し続け、生産量に関しては50%もの増加が期待できるであろう。」と語った。

シャープの代表によると「人々は健康や環境問題に大変デリケートであり、細心の注意を払うからこそ、日系メーカーの製造する空気清浄機が、中国において必要とされている。」と語った。

尖閣問題による反日デモで、日本企業の工場や店舗などは被害をこうむり、また日本メーカーの製造する高額商品(車やテレビなど)は、中国での販売に大きな影響を及ぼした。しかし、いまだに中国の消費者は日本製品に対し、品質への信頼を持ち続けている。
反日の流れは未だに収まっていないものの、健康や安心に関わる分野では日本製品の優位は揺らいでいないといえる。

しかし、空気清浄機の需要の高まりだけでは、パナソニックやシャープの運命を逆転させるのは難しい。
空気清浄機は企業が製造する多くの製品の中の1つであり、市場の堅実な成長があるとは言え、その売上げは冷蔵庫・エアコンなどの高額製品よりもはるかに低い。

中国での厳しい状況が続く中、空気清浄機の需要増加は予想外の好機と言えるだろう。高品質や安心感といった日本製品の強みを最大限に活かすことで、日本企業の未来は今後少しずつ変化していくかもしれない。(ifeng)


			
		

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